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Thinking
Old thinks

■ 2002/08/31 (Sat)  21文字の返事。
まず自分が心を開かなくては、相手も心を開いてくれない。
心のマグマまでの壁が厚ければ、表皮を一枚ずつ剥いでやればいい。
真実に近づくために。
心の声を聞き取るために。
まだ何一つ真実をつかみ取ってない、そんな事実はもうオサラバにして。
徹夜明けの目で、画廊にいる。
そんな時、画廊主悦子さんは和服でおめかししてシャンソンへ。
さすがに目が回る。
幻聴と幻覚が顕著にあらわれる。
どうにもならない。
夜、ひさしぶりに両親と三人でお食事。
実家に暮らしてるにもかかわらず、最近の生活ぶりのせいか、だいぶ顔を見てなかった気がする。
たまには親子水入らずで。なんて。
それにしてもウチの両親はなんで今もってあんなに仲がいいのやら。
自分の親のことながら驚くべきものがある。
なんかちょっと複雑。
結局何やったのかわかんないままでも一日は過ぎてく。

■ 2002/08/30 (Fri)  メロンソーダ。
画廊にいる間は一応仕事中。
いわゆる「on time」
にもかかわらず、いただいた司牡丹を一升空けてしまうのはいかがなもんでしょうね。
営業時間後、ワンダーサイトより、永岡、松本、久保田の三氏が駆けつける。
この日は松本くんの誕生日。
ケーキと松本くんご希望のメロンソーダで祝う。
日本酒との取り合わせとしてこれまたいかがなもんかと。
その後「ナン」が喰いたくなり深夜カレー屋を目指す。
「ナンとライスどちらで?」
「ナンで。」「何で?」
夜だとこれで十分面白い。
そして出てきたカレーもナンもめっぽう美味かった。
そこで動きの止まらない我々4人。
思い立ったように海を目指す。
青春映画と言うよりも青春コント。
当然家に着くころには日は昇ってました。
さわやかなもんです。

■ 2002/08/29 (Thu)  嘘の夜。
不器用が誤解を生む。
かといって、器用になりたいワケじゃないけど。
個展夜の部は、サルサバーへ。
もちろん踊ったことなんてないのに、中級者クラスに紛れ込む羽目に。
どう考えたって周りには迷惑な話だ。
そして誰よりもオレが困惑。
基本のステップすら知らないんだから。
微妙な汗をかいたところで今度はサンババーへ連れられる。
突然、目の前で尻が揺れてたら誰だって驚く。驚かないはずはない。
ただ、この日の面子は男1に女3のハーレム構成。
ここでテンション上げたらいけないとは思いつつも、一気にハジける。
白い目で見られるのなんて覚悟の上で。
楽しい。とにかく楽しい。
魅惑の馬鹿騒ぎ。
にしても、いくら連れられてとは言え、このテの店は男友達と行くべきだったな。
宴の後、って現実に戻るのが厭になる。
星は呼んでる。口は嘘をつく。

■ 2002/08/28 (Wed)  結局飛ぶのは誰の為?
少しは睡眠がとれて身体はラクになっても、わりと頭が働かない。
もともと、と言えばそれまでだが。
来てくれた人に、自分の作品の説明すらまともに出来ない。
何か断片的な単語が並ぶだけだ。
説明不要の作品ならそれでいいのだが、何かと説明を求められる。
ないアタマを絞って、言葉を綴ろうとするのだが、どうもうまくない。伝えきれない。
あとは聞き手が汲み取ってくれることを祈るばかり。
もちろんそれが情けないことだなんて百も承知で。
徹夜続きの日々の、あの激情が薄れてしまった。
再び取り戻さねばなるまい。

■ 2002/08/27 (Tue)  高円寺 熱と光が 躍り込み
ひさびさに布団の上で眠る。
そしたら起きれなかった。
そんな理由で遅刻の個展2日目。
帰りに阿波踊りに連れてってもらう。
もちろん"初"。
その踊り狂う様にとてつもない熱を感じる。
それは明らかに人の中にある熱で、太鼓の音と鐘のリズムにマグマに似た本質的なエネルギーが自分の奥まで伝わってくる。
こっちまで熱くなる。
今まで見たことがなかったことを後悔。
そしてあまりの感動にうっすら涙を浮かべてたなんて、ないしょ。

■ 2002/08/26 (Mon)  新熱。
一睡もせぬままに、迎えた個展。
ここ最近の寝てない状況は、確実にボディーブローのように効いている。
こんな頭でも、せっかくいらしてくれた方とコミュニケーションは
とりたい。
なんだか必死に食らい付いてる感じだ。
なかなかラクはできんもんだ。
これから会期をしっかり努めねば。
帰りに連れてってもらった「俺のバー」はスゴかった。
店の名前は覚えてないんだけども。

■ 2002/08/25 (Sun)  ほおかむり団の日。
ワークショップが終わったと思いきや、個展の搬入。
わりと搬入の日にはいつも思うことだが、
「今この瞬間に作品が全て無くなってしまったら」
なんてオソロシイことを思ってしまったりする。
例えば、搬入に向かう途中で作品を載せた車が事故に遭う、だとか。
もちろん杞憂に終わるのだが。
それでも、設置が終わるまで気は抜けない。
最終的に何ミリ、と言った部分まで、作品が成立するまで調整するのだ。
それに終電がなくなってもつき合っていただいた柴田悦子画廊主、それにこの夏は常にいっしょの永岡くんには心から感謝を捧げたい。
僕はこのさい、寝なくてもいいです。(寝たいけど)

■ 2002/08/24 (Sat)  飛び立つための熱。
とうとうワンダーサイトにてこの夏の総括とも言うべきワークショップのイヴェント開始。
朝までやって、ギリギリ空間は完成。
あとは、出番の時間までにリハ。
ぼんやりした頭と、心に期待。
そしてスタート。
ワークショップは前回経験済みなので、今回はスムーズに進行。
そう、学んだことは感覚の解放。
感覚を解放したまま映像へ。
映像の最後に人の心に触れる仕掛け。
全てが終わり、そのプログラムが成功したことを知ったとき、僕は感無量でした。
共に創り続けた永岡くんと握手を交わした瞬間、歓びは最高潮へ。
達成感、ってこれですね。
もちろんその夜の酒の味の美味かったこと。
ワークショップ参加の子供たち、共に創り続けた永岡くん、映像に協力してくれた松本くん、そして関わってくれた全ての人に感謝。
伝説はまだ始まったばかり。

■ 2002/08/23 (Fri)  night food.
トーキョーワンダーサイトにて徹夜。
作品は完成するまでが勝負だ。
時間の許す限り映像と空間とを創り込む。
やりたいことをやっている時の集中力は何処までも続く。
最高のものを見せたい。
その欲求だけが自分を動かす。
観客なしには歌は歌えない質なので。

■ 2002/08/22 (Thu)  エス氏のかくれんぼ。
映像制作もいよいよ佳境。
ほとんど書き出しに時間を使う。
書き出すたびに1時間ほど作業は止まるので、寝ようかとも思ったものの、フイに本が読みたくなって、読書三昧。
さらに部屋の掃除、と今やらなくてもいいようなことをふんだんにやった一日。
心にゆとりがないと、自分の創ったモノが判断できなくなるからね。

■ 2002/08/21 (Wed)  浮浪雲
単純に、純粋に、創る歓びを感じる。
まず自分が楽しくなければ、こんなに何日も徹夜は続けられない。
笑顔にはなれない。
自分自身の指先から創り出されるものに、自分自身がときめく。
創ることは、頭で考えることではなく、まず感じることなんだ。
寝てないのに、不思議と力が湧いてくる。

■ 2002/08/20 (Tue)  悪戯ッコ参上!
理屈に押し流されて、危うく忘れるところだった。
遊び心。
悪戯を仕掛けて、見事に引っ掛かった時の痛快感。
してやったり、の顔でニヤリと笑う。
何ものにもとらわれない開放感と歓び。
好きなあのコのスカートをめくったあの日のように。
隣の家の壁に落書きして逃げ出したあの日のように。
鎖は誰かが懸けたんじゃない。
自分で懸けてたんだ。

■ 2002/08/19 (Mon)  we have some technical problem.....
昼より明るい夜。
目を閉じることすら出来ない。
世界は僕らを嗤ってる。
アマガエルさえも。
はたして前に進んでいるのか。
そのことすら判然としなかった。
だが、届いた言霊に前に進む力を与えられた。
そして目の奥には光。

■ 2002/08/18 (Sun)  覚悟は出来た?
ワンダーサイトにて、24日ワークショップの打ち合わせ。
急遽、映像を創る羽目に。
ま、それは今夜から一週間寝れない、ってことだ。
この渦、ここから大きくするよ!
everything must fit into the groove!

■ 2002/08/17 (Sat)  熱量の増加。
逃げ道はつくらない。
あると使ってしまうから。
使いたくなってしまうから。
言い訳も、辻褄合わせもいらない。
深呼吸をする。
あたらしい酸素。
熱を燃やし続けるために。

■ 2002/08/16 (Fri)  ドキドキしちゃう。
行間や語尾に相手の温度を捜す。
日常的な挨拶にさえ。
文字と文字の間に別な意味は隠されてないかと探る。
用件を伝える数字にさえ。
それを何だか知りながら、僕は無関心を装う。
そこにもはや余裕なんてないのに。

■ 2002/08/15 (Thu)  自己嫌悪と天真爛漫。
朝から息巻いていた。
返り討ちだ、と。
幸か不幸か止めるものもなし、ここは一気に決めてやるぐらいの腹づもりだったものの、食らったのは肩すかし。
クソッ。
どうしてオレがテンションが上がるのはみんなと一拍ズレるんだ?
可笑しいよ。
どうでもいいことだけは言えて、大切なことが伝えられないのも困る。
もはや罪。
なにやってんだか。
理屈抜きで前に進めないなんてね。

■ 2002/08/14 (Wed)  「までに」と「に」と。
どっちだったか考える。
考えながら地下鉄に乗ると、床には髪の毛が落ちていた。
それも束で。
いったい車内でどんなドラマが起こったあとだというのか。
一年前、こんな生活を送ってるなんて想像すら出来なかった。
一年前、君に会うことが予見できなかったのと同じように。
思うままに物語を書けたとしても、きっとつまらない。
ひとつの波紋に、もう一つが重なれば複雑な波形になる。
波紋は無数に広がってる。
きっと波紋のぶつかったところのそれぞれが物語になるのだろう。
簡単に片づくと思っていたものに手間取り、難問と思われていたことは案外簡単に解決する。
予測なんてたやすく覆るんだ。
じゃあ確実って何?
もしかして、世の中に完璧、って言葉はあっても完璧なものなんて存在しないのと同じ?
いつまでたっても答えは見つかりそうにない。
視線を上にあげると「国際疲労回復センター」の看板。
なんともグローバルな。
その大雑把加減に、考えていたことが一気にアホくさく思えてくる。
で、結局どっちだったんだ。
「までに」と「に」と。
悩むな。。。

■ 2002/08/13 (Tue)  誰が望むワケでもなく。
積極策。
少しだけ時間にゆとりがあった。
自分の中で、いろいろ膨らましたいことがあったので、そのために時間を使った。
正直、最近時間に追われ過ぎて、受け身になる部分が多かった。
ただ目の前のことをこなすだけで、歓びだとか、発見することだとか、熱なんかを失いかけていたことに気がついた。
積極策。
やはりがむしゃらでないオレはおかしい。
不器用なくらいに前に進もうとしてるくらいでちょうどいい。
厭戦気分はもう抜けた。
再度臨戦態勢に。
こんどのラウンドはオレがもらう。
そう、積極策で。

■ 2002/08/12 (Mon)  知らないコト。
キズは時間が癒してくれる。
けれど。
敢えてキズ口に手を入れキズを深くする。
忘れられないキズになる。
そうやってキズを増やすんだ。
ぼくらはそうやって前に進む。
痛みで不安を消しながら。

■ 2002/08/11 (Sun)  竹筒に7割。
新しい朝が始まる。
頭上に太陽。
半眼でものを見る。
用意周到なことなんて多寡が知れていて、信じるべきは自分の熱。
抱きたいのは心。

■ 2002/08/10 (Sat)  夏の夜の夢。
花火が見たかった。
音のする方へ。
音のする方へ。
上へ下へ右へ左へ。
煙を追いかけ、ビルに映る光に吸い寄せられる。
光の渦。渦。渦。
次から次へと夜空に上がる光の花に、僕らは心躍らされた。
間違いなく僕らは夏にいる。

■ 2002/08/09 (Fri)  ワンダーランドへの入り口。
東京都現代美術館へ。
現在トーキョーワンダーサイトでやってるプロジェクト説明のブース設置に。
前日から一睡もせずに準備で、なんとか間に合う。
最近こんなギリギリの生活ばっかしだな。
夕方、同じく現代美術館で開催の横尾忠則展の内覧会へ。
なんちゅうエネルギーじゃ、こりゃ!
その圧倒的なパワーに驚く。
あれを見せつけられたら、それはもう負けてられない。
よっしゃ!オレもやるでぇ!

■ 2002/08/08 (Thu)  襲撃準備
世界の真ん中で薄笑いを浮かべる。
人とコミュニケートする重要性を痛いほど感じる。
今まで人と関わることに自信を持てなかった。
いや、未だに持ててはいない。
必要なのは理屈じゃなく、熱だ。
世界も僕を笑っている。

■ 2002/08/07 (Wed)  トーキョースキン
夏の暑い日に、僕は街を歩いた。
あまりの暑さに目の前はぼやけて見えたんだ。
いつも視覚に頼りすぎていたと気付いた僕は、他の感覚に頼ってみることにした。
目を閉じる。
街を触る。
もちろん街は熱かった。
アスファルトも焼けるように熱かった。
うっかりマンホールに触って火傷しそうになった。
視覚をストップしたら、街は突然牙をむき危険な表情を見せ始めた。
ヤクザにからまれるよりも恐ろしく不安だ。
眼に頼ってた今までは気付きもしなかったのに。
目から入ってくる情報がこんなに多かったなんて。
薄目を開けてみる。
色も形もすべてがぼんやりだ。
今まで見えていたものが、フイに現実ではないように思えてくる。
ただ、その日の不安は僕に気付かせてくれた。
僕にはまだ、知らない世界がある。
そう思うと急に世界は膨張しはじめた。

■ 2002/08/06 (Tue)  野垂れ死になんて御免だね。
描くことを思い出す。
頭で考えることが先行しがちで、手を動かすことが足りなかった。
手を動かしていてわかった。
手が覚えていたんだ。
半ば力任せな筆圧に、眠っていた感覚が解放された。
もう悩まない。
もう怖がらない。

■ 2002/08/05 (Mon)  ゆかいな仲間とゆく鎌倉珍道中。
ワンダーサイトのワークショップで知り合った景山さんのとこへ、これまたワンダーサイトの作家仲間と竹をもらいにゆく。
行って吃驚!
鎌倉にこんなとこがあったなんて。
日本むかしばなしの世界に入り込んだ錯覚におちいる。
あまりのステキ空間ぶりにうっとり。
その澄んだ空気に感激。
いるだけで気持ちがいい。
そんなとこ。
それに最高の仲間がいて、最高の時間。
額から流れる汗も心地いい。
まるで青春映画のように、貧乏さえもはねかえすようなバイタリティーで僕らの毎日は過ぎてくのさ。

■ 2002/08/04 (Sun)  笑うエレファントマン。
寝てないのを筆頭に、乱れた生活は続く。
酒の残った頭も身体も、ニュートラルな状態のまま。
そのまま手だけを動かしていたら、出来上がったオブジェは殊の外ヤバイカタチ。
ある意味、原始的な神話だ。
目先の未来すら想像は出来ない。
どう進むかわかんないからおもしろいんだよ。

■ 2002/08/03 (Sat)  点と線。
苛々で始まった朝。
そこから救ってくれたのは子供たちでした。
夢中になって身の回りを触覚で感じていく子供たち。
その触覚を視覚に直す過程で、発見していく歓び。
それによって共有できる感覚。
それは世代や性別の壁を越えて、確実に個人と個人がつながっていた瞬間でした。
夜、勝鬨橋に向けた花火に酔う。
結論なんてあってないようなもんさ。

■ 2002/08/02 (Fri)  桃色十年計画。
ワークショップは波乱の幕開け。
こどもたちに新聞紙を丸めてもらい、そこにたっぷりと墨汁をつけて壁をぶったたいてもらうド派手なパフォーマンスで始まる。
興奮したこどもたちは、その勢いそのままに、紙に向かって一気にその熱情を伝えようとする。
その激しい感情の高ぶりは、やがてひとつの絵物語となってあらわれた。
ぼくらはぼくらで、ぼくらの位置を確かめようとしてたんだ。

■ 2002/08/01 (Thu)  奇跡への方法論。
手を動かしながら考える。
心の中をからっぽにしたら、世界がぜんぶ自分のものになったような気がするかもしれない。
ぼくらはみんな、ただ笑いたいだけなんだ。
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